Mac OS Xにも, BSD系OSやLinuxのようにパッケージ管理システムがある. たくさんのパッケージが登録されているのはFinkとMacPortsのふたつである.
FinkはDebianのツールを利用したシステムで, Perlで書かれいる. 8000を超えるパッケージを有し, バイナリも提供されている. OS毎にツリーがあり, さらにstable (安定版) と unstable (開発版) に分かれる. また, バイナリ, ヘッダ, ライブラリとパッケージが分かれている.
MacPortsは, FreeBSDのportsを参考にした作られたシステムである. FreeBSDのportsの実体はMakefileだがMacPortsのPortfileはTclスクリプトである. 登録されているパッケージは4500弱程度でFinkよりも少ないが, Finkと異なりバイナリ, ヘッダ, ライブラリを分けていないので, 差はもっと少ない. サポートされているのは現行のOSとその前のバージョンであるが, ツリーは一つである. OSのバージョン依存性は, Portfileの中で吸収されている. variantsという仕組みにより一つのPortfileでいくつかのオプションを提供できる. Tclの簡潔な言語仕様をうまく利用している.
パッケージ数の多いFinkが主に使われてきたが, Appleがサポートし社員も関わっているMacPortsに勢いがある. Finkはバイナリも提供されているので, 初心者には使いやすい反面, 細分化が徹底して完璧主義なのでパッケージの管理は面倒である. MacPortsはコンパイルのお手伝いという気楽な側面がある. うまくいかなくて, 自分で手を動かす場合の敷居が低いように感じられる. この辺りが気に入ってFinkからMacPortsに移行した.
g95自体はバイナリがインストールされているので, Fortranだけに興味があれば, バイナリをインストールすれば済むが, 数値計算や描画のライブラリを簡単に利用するには, パッケージ管理システムを導入するとよい.
デフォルトでは, /opt/local以下にMacPortsで導入したものが保存される.
MacPortsでg95をインストールするための手順を示す.
ファイヤーウォールの中から使う場合は別途いくつかの作業が必要.