g95を試してみるには, バイナリを利用するのが手っ取り早い. さまざまなプラットフォーム用のバイナリがg95のダウンロードサイトにある.

g95には開発版と安定版とがある. 開発版で日々更新されているcurrent snapshotと2006年8月の安定版 (バージョン0.9) がある. 開発版では, 機能追加に伴ってバグが入ったり修正したりしているので, 通常は安定版を導入するのがよいだろう. Fortran 2003の最新の機能が必要な場合は, 開発版を使ってみるとよい.

まず, Mac OS Xを含むUnix/Linuxの場合について説明する.

バイナリをダウンロードし, 適当な場所に展開すると, g95-installというディレクトリができるので, そこに移動する. binディレクトリにある-g95 (はプラットフォームを識別する文字列) という名前の実行ファイルのシンボリックリンクをパスが通っている場所に作る. 例えば, ホームディレクトリの下のbinにパスが通っている場合は,

$ ln -s bin/*-g95 ~/bin/g95

とする.

Windows用には, MinGW版及びCygwin版が配布されている. Cygwinがインストールされていない環境用にCygwinの一部をインストールするものもあるが, 廃止予定とあるので使わない方がよいだろう. MinGW版は, もっともよく使われている版である. MinGWも同時にインストールされ, コマンドプロンプトg95をで利用する. Cygwin版を使う場合は, 前もって最新のCygwinをインストールしておく必要がある. Cygwin版では, bash上でg95を使うことになる. DOSのコマンドに慣れている場合は前者, Unix/Linux環境になじんでいる場合は後者が便利だろう. VMWareのような仮想環境にLinuxやBSD系のOS, Solarisをインストールして, その中で使うのもよいだろう.